violetandlightblue-3


azure・blush・purple・white(仮)


 地獄は真っ白な所だった。


 目を開けると真っ白で、暖かく居心地の良い空間に軽く驚きを覚えていた。自分が天国などに行けるはずもなく、それでもそこは今まで暮らしてきた世界より確実に天国に近い場所だったから。
 地獄に連れて来てくれた死神に感謝しなくては・・・。
 そんな事をぼんやりと思っていると突然視界に黒いモノが現れた。


「大丈夫?」


 そう聞いてきたのは、視界に映ったモノの正体は、先程みた死神などではなく、自分にはまったく見覚えがない、だがそれは良く知っているもので、それは―――ヒト。
 居心地の良いそこは白い部屋、寝ているのは白いベッド、目の前にいるのは死神なんかではなく綺麗な女性。ヒト、人間。


白がゆっくりと赤に染まる




「わああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああ」




 少年の悲鳴にも似た叫び声が部屋に響き渡る。
 目の前のヒトという物体から逃げるようにしてベッドから転がり落ち、部屋の隅に這うようにして体を寄せ、静かになったと思ったら今度は膝を抱え小刻みに震えだす。


「先生呼んでくるわ」


 そう言ってサラは部屋を駆け出していった。
 部屋に残されたのは少年を見つめるクラストと小刻みに震え続ける少年の二人だけ。二人の間には静かな沈黙が流れる。

その沈黙を崩さぬよう、壊さぬようにクラストは少年へと近づきおもむろに髪をつかむと、顔をあげさせた。
そこに現れたのは青空のようなブルーの瞳と、極度に薄くなってしまってかのようなグリーンの瞳がそこにはあった。「この目はヤバイな」そう思った瞬間だった、少年に思い切り突き飛ばされた。

「ってぇ・・・」

突き飛ばした当人は色の薄い方の瞳を片手できつく覆い、もう片方の目ではしっかりとクラストを見据えていた。



「お前、何で笑った?」
「・・・し・・・神、じゃ・・・っかたん、だ・・・」



ずっと疑問だったクラストの質問と、少年の初めて喋ったかのようなたどたどしい言葉が噛み合わない会話のように紡がれる。


「神?何が?」
「・・笑った・・?・・・俺が?」
「・・・・」
「・・・・」


白い壁に切り取られた空からは、止んだ筈の白い雪が再び空から降り注いでいた。


≪戻 次≫

----------

後書:言い訳

なんてか、あれだ。
ちょっとノリに任せすぎた?


あ、いつもか

06/8/某日 護刃



- mono space -