sweetpotato-3


Sweet Potato


雪が発した問いに各々手を止めてそちらを見る。
煙を上げている落ち葉の山に一斉に視線を向けた後、全員が顔を見合わせて。
誰かが口を開くのを待っているようだ。
「…運が悪かったと思って諦めれば…」
「やだぁ善慈が間違えたんだから、あんたが食べなさいよぉ!」
姉さまにあたったらどうするの?と美卯が善慈を攻めている。
それぞれ自分は食べたくない、と拒否を露わにしていると雪がまた困ったように首を傾けた。

「捨てちゃうのも勿体無いし…」
落ち葉の山を棒でつつきながら迷っている様子だ。
そうこうしているうちにも焼け上がったであろう(正常な)芋を数個取り出して並べている。
どうやら焦げたものは既に隔離してあるらしい。
「平等に切り分けたらどうですか?それなら依存もないでしょう」
進まない話し合いにクラストが小さく言う。
また皆顔を見合わせ、それしかないかと溜め息をついた。
善慈が食べればいいのに、という美卯の呟きに怒りそうになる彼を制して、焼け上がった全ての芋が皆に配られた。

綺麗に染まった紅葉の下、それぞれアルミホイルを剥ぐ。
「わぁ……」
誰が上げたとも分からないその歓声と共に甘い匂いが辺りに漂う。
焼き芋は初めてだという琳もその香りに感激しているようだ。
「冷ましてから食えよ。熱いから」
翔驥が琳の持つ芋を指して言った。
琳は頷いて一生懸命息を吹きかけている。
「焼き芋なんて久しぶりね」
手に持った芋の皮を剥きながら、麻緋が懐かしそうに呟いた。
「美卯も久しぶりですー!美味しいですよね、焼き芋っ」
美卯が嬉しそうに麻緋に言った。
「あちっ、美味い!美味ぇよコレ!」
一人善慈が既に食べ始めていて、熱い熱いと言いつつも芋を頬張っていた(皮は剥かない派らしい)
華耶も芋に息を吹きかけて、冷まそうとしている。

雪は赤い紅葉を見上げながら嬉しそうに微笑む。
皆でこうやってわいわい騒いで、焼き芋して、少し焦がしたりなんかして。
「平和だなぁ…」
いつの間にか隣にクラストが来ていた。
二人で芋を片手に空を見上げる。
どこまでも続く秋晴れが広がっていた。

「うへぇ」
穏やかな気分で空を見上げていると、背後から奇妙な声が聞こえた。
どうやら善慈が焦げた芋に口をつけたらしい。
「苦―――ッ」
顔を歪めて舌を出している。
その様子を見て、皆自分の手元にある黒い芋を見た。
(食べたくないな……)
普段まとまらない皆の意見が一つになった瞬間だった。


≪戻

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*後書きというか言い訳というか*

めちゃくちゃお待たせして申し訳ありませんorz
もー最近パソコンさまと疎遠で…。
しかもなんか続かない感じの終わり方で。それに短い。
ひぃぃ色々ごめんなさい!まだキャラが掴めてない!
次、大変でしょうけど…頑張ってください…

すみませんでした…

06/11/20 にわとり



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