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Sweet Potato


【じゃが男同盟】と言う同盟の幹部になって早数ヶ月が経とうとしていた。
柔らかい風が吹く春から、太陽の照りつける夏を通り越して、
紅葉が綺麗に映える秋になっていた。
建物を囲う木々も紅や黄色に変化を遂げていて、
ひらひらと静かに葉を落としていく。
一之瀬琳は窓際のテラスで頬杖を付きながらその様子を眺めて
まるで踊っているようだと一人空想に耽っていた。
日本では秋は食欲の秋って言うんだっけ。
いや、読書…ゲイジュツ…?色々あるなぁ。
日本語って不思議だ。秋は秋じゃん。
そんなくだらない物思いから醒め、
ふと視線を落ちる葉から外して門の方を眺めると、
茶髪の小柄な青年が箒を手にいそいそと落ち葉をかき集めている。
一期生で先輩にあたる笹貫雪だ。

「…本当、よく働くなぁ」

ポツリと言葉を漏らしてから周りを見回すと、
建物の中では他の幹部(一部除く)が書類整理やパソコンでのデータ処理など、
何やら仕事に追われている。
司令塔のクラスト=狩野はずっとパソコンと睨み合い、
話しかけるなとでも言っているかのようなオーラを放っているし
(長身で整った顔をしているために更にオーラが強力に感じられる)
奥に取り付けられているキッチンでは紅月麻緋、黒崎美卯、森倉華耶の女性三人が
紅茶を入れたりスコーンを焼いたりと、何やらお茶会の支度をしている。
一方ソファとテーブルの置かれた談話スペースでは
浅葱善慈と青鷺翔驥が楽しげに会話をしている。

もしかして暇なのは俺一人か?

足りない頭で何をすれば良いのか考えるが特に思いつく訳も無く、
おそるおそるクラストの元へ歩み寄り小さく声をかけた。

「あの…」

クラストはパソコン画面から顔を上げる事はせず、視線だけをこちらに向ける。
「………何か仕事とか…お手伝いすること、ありますか?」
首を静かに横に振られて「え、あ…そうですか。」と挙動不審に答えて離れる。
何とも言えない雰囲気の会話(?)を終わらせ、
仕事が無いなら自分から何かしようかなと考える。

考えた末に辿り着いたのは、先ほどテラスから見下ろした庭。
一人であんな広い所を掃くなんて、相当な時間を要するだろうと
琳は自分も箒を片手に扉を開けて外へ出た。

「あれ、どうしたんですか?」

忙しなく箒を動かしていた雪が不思議そうにコチラを見て言った。
茶色の髪が陽にあたって更に明るい色に見える。

「…手伝おうかな、と思って……」

迷惑だったかなと相手の表情を窺うと、にこにこと笑った顔が目に入った。
「有難う御座います。じゃあ一緒にやりましょうか。」


ほのぼのと会話をしながら落ちてくる葉を集めていく。
しばらくすると小さな山が出来上がった。

「コレ、どうするんですか?」
足下で積み上がっている山を見ながら訊ねると
雪は「どうしましょうね」と笑って答えた。

「こんだけあれば焼き芋とか出来るんじゃねーか?」

不意に後ろから聞こえた声に驚いて振り返ると、
そこには先刻まで談話スペースに居た筈の善慈と翔驥が立っていた。
「ヤキイモ?」
「そ、焼き芋」
聞いた事はあるけれど実際に目にした事の無いソレに
首を傾げながら訊ねると善慈がどこから取り出したのか
小さなホワイトボードに絵を描いて説明を始める。
「いいか?こう…サツマイモをアルミホイルに包んで…」
真面目な顔で説明する善慈と興味深げに(やはり真面目な顔をしながら)聞き入っている琳を後目に、翔驥は雪に「勝手にやっちゃって大丈夫なんですか?」と小声で問う。
「一応了承を得てみないと何とも言えませんね」
またにっこりと笑って答えると、雪は屋敷の中へ入っていく。
翔驥の隣ではまだ善慈と琳が真剣な顔で焼き芋講座を繰り広げていた。


5分ほどして戻ってきた雪の手には、マッチと新聞紙、
アルミホイル、サツマイモがあった。

「ヤキイモできるの?」
琳がはしゃぎ気味に訊ねると、雪は笑顔で頷く。
「今他の方達も降りてきますよ。」
「じゃあさっさと火点けようぜ」
翔驥に持っていたホワイトボードを預けると、善慈が新聞紙を丸めて火を点ける。

新聞に灯った火が、パチパチと音をたてて燃え始めた。


≪戻 次≫


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後書き的なモノ

スイマセン。かなりだらだらと長くなってしまいました。
ぶっちゃけはじめの方の文章いらないんじゃないかなと
思うんですが、どう取り除けば良いのかわかりません(馬鹿)
滅茶苦茶遅くなってしまって本当に申し訳ありません。
最初からコレって…;
しかもこんなのって…(痛)
ヤキイモ食べたかったんです。スイマセンでした。
そして全員を喋らせる事が出来ませんでした。
女性陣の皆さん申し訳御座いません(土下座)
しかも迷惑な事に続きを託してしまいましたorz
次はゆーじさん…ですよね?(不安)
このグダグダ感を何とかしてやって下さい!!
読んで下さって有難う御座いました。

蓮屋雪


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