prologue


始まりって緊張する。
不安なんだけど、『期待』とか『希望』もあって。
何かが起こりそうな・・・・
そんな気持ちにさせるんだ。


じゃが男同盟


「そちらが皆様のカラーとなります。どうぞ、ご記憶下さいますようにお願い申し上げます」

閑静な空間をアンティークでまとめ上げられた部屋には、男女が四人。
先程からお茶を入れたり説明をしている――お手伝いだろうか――男は、口にヒゲを生やし白髪のまじる髪を綺麗にセットしたいかにも紳士的な初老の男性だ。
説明をしていた男性は「そろそろですね」と時計に目をやる。すると部屋にある時計がボーンと時を告げた。
同時だろう、部屋に存在する一つの扉が開いた。

「失礼します。滝川さん、遅くなりました」
「いえ、相変わらず時間丁度でございます。皆様、お揃いですよ」

はい。と答える青年は白いシャツを着て茶色の髪、気のせいだろうか左右瞳の色が違う。笑顔の印象的な青年だった。
立ち振る舞いや喋り方からしても滝川と同じようにお手伝いの人間だろう「ご案内します」と微笑まれた。


「お連れしましたよ。二期生の方々です、どうぞ」
青年に通された部屋には四人の男女がいた。
四人はそれぞれ椅子に座ったり窓際に寄りかかったりしてリラックスするようにしていた。
この四人が一期生・・・自分達の先輩にあたる。緊張し、固まっていると傍に控えていた青年が「どうぞ」と囁く。
青髪の青年がうなずき口を開く。


「えっと、蒼鷺翔驥っス。紺色です、宜しくお願いします!」

勢いよく頭を下げる。
次はふわっとした女の子が一歩前に出る。

「はじめまして、森倉華耶と申します。カラーはピンクですの。宜しくお願いいたしますわ」

女の子が一歩下がると、男の子が一歩前に出る。

「はじめまして。一之瀬琳です。色は緑。宜しくお願いします」

首から提げていた十字架がきらっと揺れた。


一之瀬が顔を上げると黒髪のツインテールの女の子が目の前にいた。

「えへ〜。かっこいいお兄さん!美卯嬉しいなっ」
女の子は嬉しそうに三人の周りを踊るように回る。
どうしていいか、どう反応を返していいか困っている三人を見かねてか、座っていたオレンジ色の髪の女性が声をかけた。

 「やめなさい、美卯。困っているじゃない。まずは自己紹介をしなくては」立ち上がって顔にかかる髪を手で払う。
「はじめまして、紅月麻緋、カラーはオレンジよ。まあ、よろしくね」

女性が微笑むと向かいに座っていた男が肩を揺らす。
「何、善ちゃん。何が可笑しいの?」
「否、ボインちゃんがまともな事言ってるからさ」
「馬鹿にしているのかしら」
さあ、と身体を三人に向きなおす。

「どーも、浅葱善慈です。灰色だ、三人とも、よろし、くっ」
言い終わらないうちに浅葱は黒髪の女の子に蹴りを入れられていた。
「ってぇな!」
「姉さまを馬鹿にしたら許さないんだから!はじめまして!黒崎美卯、カラーは黒です!こんな可愛くてカッコイイ子が入ってくれて美卯嬉しいな☆」
「何が、美卯嬉しいな☆だ!このぶりっ子が!」
「うっさいわね!かっこつけちゃって、気持ち悪ーい」
「だと、このぶりっ子!!!!」
「このオカマ!」
「お・・・どこがオカマだ!」
「全部よ!オカマー!」
「雪に変なこと教え込んだのはおめぇか!」
「しらないわよ!」

三人が目の前のやり取りを呆気にとられたように見つめていると、傍に控えていた青年がくつくつと笑いをこぼす。
その青年に向かって、窓際で様子を眺めていた男性が何かを差し出す。
「雪、上着をとネクタイを忘れている」
「あ、ありがとうございます」
青年はネクタイと上着を身に着ける。
その行動に三人は驚いた。お手伝いだと思っていたのだ。
青年はそんな三人の気持ちを知ってか知らずか笑みを浮かべる。
青年の隣に立った長身の男性が三人に目をとめる。

「クラスト=狩野、カラーは紫。よろしく」
「リアン・・・えっと、笹貫雪です。カラーは水色です。これからどうぞ宜しくお願いします」
丁寧に頭を下げられ頭を下げ返す。

さっきから喧嘩していた二人が競うように声を上げる。


「「じゃが男同盟にようこそっ!!!」」


『不安』が一気に消えていく。
『期待』と『希望』だけがのこった。この五人と共に三人の新たな生活が始まる。

『緊張』が『笑顔』に変わった。

外には桜が青空に映えて、とっても綺麗だった。


≪戻


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後書:言い訳
ようは、プロローグみたいな。自己紹介兼ねた話。
ごめんなさい。無駄に長くて、読みにくくて。
まあ、次は蓮屋さんで。本題が始まりますね。楽しみにしています!


05/04/02 新彊護刃




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